弥生美術館・竹久夢二美術館
千代田線根津駅から徒歩7分。東京大学のすぐ目の前にある『弥生美術館・竹久夢二美術館』に行ってきました。木々で覆われた小さな美術館はレトロな雰囲気(゚▽゚*) ロビーは古〜い個人病院の待合室のようなイメージ。弥生美術館は挿絵画家・高畠華宵と交流のあった弁護士・鹿野琢見氏によって創設された美術館です。また竹久夢二の作品もコレクションしていたようで、竹久夢二美術館を併設しています。こちらは後ほど紹介したいと思います。
『弥生美術館』では高畠華宵作品のほか、明治末から戦後にかけて活躍した挿絵画家をはじめ、挿絵・雑誌・漫画・付録などの出版美術をテーマに企画展を開催しています。現在は『生誕百年記念 竹中英太郎と妖しの挿し絵展』を開催しています。
竹中英太郎さんは昭和初期の挿絵画家で、江戸川乱歩・夢野久作・横溝正史らの怪奇・幻想的探偵小説の挿絵を主に描いていらした方です。その画風は“あなたの挿し絵は妖気に充ち充ちている。”と言われたほどで、怪しく美しいグロテスクさとエロティシズムを紡ぎだしています。また探偵小説のみならず、時代小説、現代小説と多彩な作品の挿絵を手がけ、一躍挿絵界の寵児となりました。
現代の推理小説の挿絵も、決して端整な顔立ちのものではありませんよね。どうしてあんな感じの絵なのかと思っていたのですが、やはり推理小説という怪奇的な事件の内容に合わせ、怪奇的な挿絵によって読み手の心理を させる効果があるのではないでしょうか。それはこの時代から引き継がれているものだったのですね。
昭和初期というと、戦後の貧しい時代だったはずです。そんな時代の中、探偵小説を買って読めるって、竹中英太郎さんって裕福な家庭の人だったのしら…と思っていたのですが、まだ子供のころにお父さんを亡くし、生計が立たなかったために、たくさんの兄弟姉妹たちとともに奉公に出されてしまったそうです。働きながら出版社の公募に応募し、挿絵画家としてデビューできたんだそうです。
晩年の作品は、淡い色彩の美しい蝶や花をモチーフにした作品が展示されていて、陽気的な挿絵とは全く違ったメルヘンチックな作品を見ることができます。その他、同時代に活躍した橘小夢、水島爾保布、月岡夕美、内藤良治等の作品も展示されていました。
次に、『竹久夢二美術館』は都内では夢二作品を唯一鑑賞できる美術館です。竹久夢二といえば「夢二式美人」と呼ばれる独特の美人風俗画で有名ですが、ここ東京・本郷は、夢二が滞在した〈菊富士ホテル〉がかつてあり、また最愛の女性、笠井彦乃と逢瀬を重ねた場所なんだそうです。古き良き時代を思わせる〈夢二式美人画〉から、モダンな表現を試みたデザイン作品まで、幅広く大正ロマンの世界を鑑賞することが出来ます。
現在は『竹久夢二 音楽デザイン帖 〜抒情のリズム、大正ロマンの調べ♪〜展』を行っています。「待てど 暮らせど 来ぬ人を♪」で始まる「宵待草」はとても有名な唄ですが、これは夢二が作詞したの24曲の〈セノオ楽譜シリーズ〉の中で最も有名な唄です。夢二が生きた大正時代は、蓄音器やレコード産業が誕生し、音楽が広く大衆化された時代です。音楽雑誌や楽譜の発行を通じて多くの人々が西洋音楽に親しみ、キネマやダンスといった音楽に関する娯楽が流行りました。ここではセノオ楽譜・セノオ新小唄・童謡曲譜など夢二のデザインした楽譜装幀を見ることができます。
夢二の描く美人画は美しいだけではなく、奥ゆかしさが感じられ、また浮世絵などとは違ったモダンでロマンチックな画風は私も大好きです。今回の楽譜の展示では、美人画だけでなく、子供や景色、動物などのモチーフが描かれていて、とても面白かったです。
また夢二のデザインを使ったグッズも販売されています。実はここに来る目当てはこれらの商品が買えることだったりもします(笑)ポストカード、レターセット、メモパッド、ハンカチ、ポーチ、脂取り紙、オルゴール…どれも夢二の可愛らしいモチーフが使われていて、私もいくつかお土産に買ってきました☆ コレクションしたくなる可愛らしさです(゚▽゚*) 大正美人にあやかりたいですね♪
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